ノラガミ
「境界」にまつわる物語。
最初は、「クロニクル」という洋画とキービジュアルが構図かぶりしてたってだけで見始めたんだけど、概ね楽しむことができた。いいところと悪いところとがはっきり出ていた作品。
まず、ヒロインのひよりがかわいい。しかも、しっかりしている母親タイプ。夜ト・雪音・ひよりで並ぶと、どう見ても親子に見える。夜トの性格もおちゃらけている感じで実はちゃんと考えているあたり、年季の入った神様なんだなーと思う。まーた神谷かよって思ったけどやっぱ合ってるわ。漫画では、雪音は禊するまでもっとえげつない悪事を働いていたらしい。アニメでは若干マイルドなんだとか。
あらすじとしては、よく考えたら何もない。せいぜい、雪音が彼岸の住人として覚悟を決める物語、とかかな。自分勝手に見えるけど、自分のやりたいこともできなかった中学生でしょ?けっこう難しい所あるよ。でもひよりが見てくれてるから大丈夫。
演出はかなり雰囲気を考えて作られてたと思う。バンクとか画面効果とかけっこううまいことやっていたよう。橋の上での会話とか、EDの踏切とか、一線を引くシーンとか、雪音の境遇とか、ひよりの実体と霊体を行き来する体とか、「境界」を意識したシーンが目立った。蠃蚌が最後アヤカシを取り込んだりするのも、神の境界をあやふやにすることよね。
作画もさすがのボンズでほぼ崩れないし、良い動き・表情が見えていた。5話後半だったか、「回想シーンで、代役で出ているひよりを本来出ているはずの小福の上に重ね合わせる」という作画はどうやって作ったのか分からないくらいすごかった。見たこと無い。最後の蠃蚌との戦いも神作画で見応えがあった。
OPED曲も印象に残るもので、非常に良かった。OPの灰色+差し色で構成する演出は中々他で見ないものだったし、EDの歌詞はおそらく雪音に対する夜ト視点で、慈しむ感じがよく出ていた。EDを聞くとノラガミだなーって気分になる。
悪いところは、なんかストーリーを進める気がないところ。雪音の禊が終わった後のオリジナルストーリーがやっつけ感がすごくて、予定調和で着地点が見えてて、なんにもドキドキしない。やっぱり中盤に力を入れすぎたんだよ。
結局ノラと夜トの間に何があったのかとか、過去話が全然分からないので、割といい確率で2期をやるんでしょう。毘沙門は顔見せ程度って言われてるみたいだし、戦争まで見たいとかコメントで出てたし、多分ネタは豊富。そういえば夜トと兆麻の因縁とか、神器になる前の雪音の過去とか、夜トと小福・毘沙門の関係とか、全然明かさなかったなー。やっぱ禊までか。
番組終了後の3月31日から、渋谷に巨大ポスターも出たらいし。内容は円盤の宣伝っぽいけど。