ひとおもい

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超高速!参勤交代

2014年映画レビュー目標 5/12

130分。ギャグ・コメディ映画だと思ったら意外な本格時代劇。パンフレットまで買ってしまった。時代劇って「身分の差」がある物語なんですね。えっさー ほらさー!


1.総評

幕府の命令(実は悪徳老中の悪巧み)で、通常8日はかかる道程を実質4日で走破する物語。60里(240km強)。首謀者である老中の目的は主人公である湯長谷藩の殿様・藩士を参勤に遅れさせることなので、道中刺客を送るなど、様々な妨害がある。これを、雲隠段蔵という怪しい忍者の手引もあって辛くも抜けていき、最終的に参勤を達成する。
笑わせに来るシーンも多いのだけど、同じくらい殺陣シーンも多い。そして水戸黄門とか暴れん坊将軍的な安心感をもって主人公側は絶対に負けない(勝つとは言っていない)。ちょっと殺陣シーン長かった気もする。もっと旅情的なシーンも入れて欲しかった。超高速!だからのんびりはできないんだけど。


2.ストーリー

道中次々と襲ってくるトラブルをアイディアと行動力で克服していく。宿場町では大名行列としての人数が足りなかったり、山道では怪我をしたり狼に襲われたり、高所恐怖症で吊り橋を渡れなかったり、お尋ね者として追われ寝込みを襲われたり、ヒロインを人質に取られたり、殿様と藩士とがはぐれてしまったりと、とにかく途切れなくトラブルに見舞われる。しかし全てを切り抜けて江戸にたどり着いてしまう。正直こんだけトラブルあって4日で辿り着くとかちょっとフィクションすぎるのでは?一日で50km以上歩くのを4日続けるのは人間の限界超えてんよ…。と思いつつ、長崎街道も230kmくらいを4日で走破するものだったらしい。行列としてかどうかは知らないけどな。
同じセリフを別の場面で使いまわす演出が全編通して見られた。4回くらいか。特に湯長谷藩士が啖呵を切るシーンがカッコ良かった。1回目はセリフの強さの割には獲物が竹光なせいで逃げるしか無く、2回目は装備をバッチリ整えて改めて自分たちの強さを宣言する。うーん気持ちいい(そういえば鉄砲が出てこなかったのは何故だろう)。


3.キャラクター・役者

主役の殿様のキャラクターが実に朴訥・垢抜けない感じで、ローカルな組織の理想的リーダーとして描かれる。部下思い、民思い、さらに剣の腕も立つ。閉所恐怖症も「玉に瑕」と言われるだけであり、ぶっちゃけ欠点らしい欠点は見つからない。もしかすると「お人好し」なところが甘いと評価される可能性があるが、その甘さも巡り巡って天佑として返ってくる。ちょっとやりすぎな気がするけど、気持ちよく見れる娯楽映画なのだから全然OKですな。
あと女性との恋路のシーンもどうだったかねえ。政醇がお咲を好きになった理由がわかりにくいような。いや、あんな美人だったらそれだけで説得力あるか。ポイントはお咲と一緒なら閉所恐怖症が克服できるってことかね。
主役の佐々木蔵之介がビジュアル的にも美男子。あんなカッコイイ殿様とか。ああ、今気づいたけど殿様って言うより王子様なんだ。
湯長谷藩の面々がみんな方言をしゃべるのが、朴訥さというか、ゆるい雰囲気に拍車をかけていた。それでいて筋を通す場面では方言を出さない。身分が下の者が、上の者を下から睨みつける構図ってカッコイイなあ。


4.その他

自分が長崎街道を歩いた経験があったのと、キャッチーなタイトルから見ることにした。長崎街道を自分で歩いていると何度も「昔の舗装されていない状態で、雨だろうが雪だろうが歩いた昔の人すげえ!」となるので、見る前から期待感があった。
実は、少なくとも長崎街道では「宿場町は中心あたりで直角に曲がっている」という法則が見える。なぜなら弓や鉄砲で街道の端から端まで狙われることを避けるためだ。最初の宿場町である高萩宿では、少人数の大名行列を大人数に見せるため、一度通った人が家の裏を通って列の催行日に戻り、もう一度役人の前を通るというシーンが有るのだが、この時見たところ宿場町が曲がっていなかった。まあ、厳密に全ての宿場が曲がっているわけではなかろうが、幕府の役人がいるような宿場が小さいというのも若干違和感がある。

ちょっと思ったんだけど、この話ってもしかして会社の支社と本社の形で現代劇として翻案できるのではなかろうか。
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by konnkounohoukou | 2014-11-08 17:47 | 映画 | Comments(0)