ひとおもい

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東方御粗松

2016ゲームレビュー 28


630分=10.5時間。スペカコンプ、全機体ノーコンクリアまで。

東方Projectとおそ松さんのクロスオーバー同人作品。おそ松さんの原作を東方Projectの文脈にうまく落とし込んだ快作。攻略記事まで作るほど熱を注いだ作品って初めてかも。EX楽しみです。


https://twitter.com/Touhou_Osomatsu


ネタバレがあるので続きから。





1.総評


東方の文脈に沿いながらおそ松さんの弾幕を張っていることに本当に感動した。一人ひとりを「こういうやつだ」とキャラ付けした上で弾幕やスペルカードを展開していたし、ストーリー上の意味まで持たせていた。プレイしていて作者の意図が見えるのはとても満足感がある。


さらに、おそ松さんであると同時に東方でもあるのがまた素晴らしい。弾幕は東方で出てきた弾幕を彷彿とさせるようなものが多く、音楽も前半は東方色を多めに出して、後半は控えめにしながらそれでも要素として存在している。ボムをきっちり使えばちゃんとクリアできるのも東方らしい。


特に4・5・6面では東方とおそ松さんの深い解釈と融合が果たされていてビビる。特にチョロ松の設定が全方位隙がない。東方御粗松をやって、東方Projectの主人公は霊夢だけど、主役はボスだということを初めて認識できたのも大きい。二次創作で原作を理解することもあるんです。



2.ストーリー


幻想入りしたおそ松ら六子がドッペルゲンガーを大量発生させるという異変を起こし、それを霊夢・魔理沙が解決する物語。と言っても何か野望があるわけではなくて、一卵性の多胎児なんて現実にありえないと、生まれる前に存在を否定された魂を慰めていただけらしい。博麗の巫女に退治されたら今度こそ完全否定だと頑なになっているおそ松に対して、霊夢が「退治はするが幻想郷には受け入れる」旨を返すあたりの幻想郷解釈は広く受け入れられるものだと思う。


ただ、このあたり幻想郷に長いこと浸かっている人には違和感がないんだけど、おそ松さんから入った人が初見で理解できるかというと正直難しい気がする。幻想入りとは、説明できない事象を何でも天狗の仕業にしてきたような昔の常識や、かつてほどの信仰を集められなくなった伝説たちが外の世界で忘れられて幻想郷に流れ着いてセカンドライフを送ること…というような説明があった方が理解しやすいんじゃなかろうか。一応幻想郷は全てを受け入れるって話が5面で出てくるんだけど…。

と思ったけど、そもそも東方本編の会話が意味不明なんだから東方御粗松もこれでいいんだな。



3.キャラクター


全キャラ語ると長くなるので次男と三男だけ。


(1) カラ松

「被弾せずとも見る者に痛みを与える」って言われたから何のこっちゃと思ってたらこの過剰演出よ。効果音とともに薔薇が散った瞬間イタってなったもんね。公式によると通常で出てくる妖精はカラ松フェアリーズだそうだけど、妖精は確かにこういう派手なの好きそう。通常3は堕天使のイメージとか書いてあってずるい。


弾幕的には勇儀、うどんげ、布都ちゃんとか元ネタがはっきりしてる中におそ松さんの原作要素がハマってたのが良かった。特に「堕落せし歌い手」でレーザーが家の形してるのに気づいた時がほんと面白かった。トド松のラインの冒頭がおそ松さんで一番好きなシーンの一つなので。ああそうか、堕天使の次だから堕落せし歌い手なんだな。



(2) チョロ松

正直東方御粗松でのチョロ松の良さをうまいこと説明できるか分からない。原作ではチョロ松は常識人ポジションにいながら結局バカもニートも続けていて、自意識をライジングさせながらそれでも価値観としては就職はする(目指す)べきだという微妙な位置にいるんだけど、ついに24話ではニートを一抜けして就職してしまう。そんな常識と非常識の境界に立つチョロ松が、常識の外界と非常識の幻想郷をつないでスキマを操るとか、最高の設定だと思う。しかも4面っていうポジションも絶妙。ラスボスでも従者でもないという。


チョロ松の弾幕では、通常では上や左右に抜けた御札が反対側にワープして来るし、スペカではチョロ松自身も画面を移動して反対側に抜けたりする。この「画面の反対側にワープ」というのが東方では結界やスキマに関する能力を持つキャラの特徴になっていて、ほんと綺麗に落とし込んでいるなあと思う。「アイドリングワーシップ」は多分ルナティックだと「偶像結界」とかになるんじゃなかろうか。御札のワインダーとか結界っぽいよね。

さらに東方の文脈で「非常識」と言えば早苗が筆頭で、早苗による常識に囚われない二次創作の弾幕と言えば予想外の動きをするものと相場が決まっているもので、要はそういう文脈を理解していないとヒジリサワショウノスケは落ちてこないんですよ!言ってしまえば「お約束」程度の話なんだけど、それでもやってくれたことに変わりない。


それでもって最後の符名なしのスペカ「自意識ライジング」。自意識がライジングしつつどんどん肥大化していく表現に加えて、自意識から出てくる弾は徐々に大きく、レーザーは真っ直ぐだったのが次第にひん曲がっていく。さらに自意識がライジングする間のチョロ松は無敵というのが原作準拠でたまらない。ゲーム的にも自意識ライジングをどう突破するかが山場なところがある。個人的には東方御粗松の中で一番のスペカです。


まとめると、チョロ松は原作要素を前面に出しながら巫女とスキマと非常識と緑色が詰まっていて非常に良い。



4.音楽


はなまるぴっぴはよいこだけ、全力バタンキューをメインにしながら東方のいつものフレーズも入っている。あとジングルとカラ松のテーマ。特に6面の曲は半端なくいいぞ。ゲームの外でも、「御粗松 ~Six Doppelganger.」 → 「不思議なお祓い棒」と聞くとメロディは違うのに妙にそっくりで変な笑いが出てくるし、最後エンディングが終わってスタッフロールで「六つ子の魂は永遠に ~Sextuplet Dream.」が流れると終わったなあという気分になる。てかスタッフロールの曲にDreamって付いてるのも東方ですなあ。

全力バタンキューって途中竹取飛翔っぽいところとかあって東方アレンジ曲向きなのかなあと勝手に思うなど。



5.その他


初回では違和感を抱えながらプレイしていた。違和感と言っても質の問題ではなくストーリー的な問題。

最初は一松のところでオヤと思う感じ。「ソウルオブドッペルゲンガー」の左上を見るとNo Existと書いてある。スペルが終わったってこと?ならエンプティって書いたほうが良くない?というような。


それで、4・5面の会話を見ながら、そもそも六子はなぜ幻想入りしたのか、幻想入りしたということは(素敵な)墓場に入ったってことじゃないのかという疑問を持ち、6面に入って「青松落色」で落色ってマイナスイメージの言葉だなと思い、その後「この世に要るのはよいこだけ」とか言われてそんな悲しいこと言ってくれるなよと泣きそうになるような。あの真性バカのおそ松が、まさか思い詰めているのか。そういう違和感。


それで「シックスセイムフェイシーズ」を突破して、まだこれで終わるわけがない、最後はボスは真ん中にいるものだとか思ってたら案の定演出が入って「ノーイグジストライブズ」が始まってチラッと左上を見たらNo Existとか書いてあるわけですよ。なんだこれは、こんなすごいゲームをプレイしていたのかと、BGMと相まってまた半分泣きながら手元も震えておぼつかない状態でクリアした、というのが初回プレイの思い出です。



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by konnkounohoukou | 2016-12-04 16:54 | ゲーム | Comments(1)
Commented by 東方松 at 2017-11-04 08:27 x
たぶんno exist は存在してないからドッペるゲンガーってことなんじゃないですか?