Lily 白き百合の乙女たち LisblancのワンドロSSです。
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月「いやー、やっぱり夜中のテレビとお菓子は最高ね。」
萩「お姉ちゃん、そんなことばっかりしてると太っちゃうよ。」
月「萩ちゃんはー。もうちょっと大きくなりなさーい。」(ダラダラ)
萩「もぅ、知らないからね。……あれ? 誰か来たのかな?」
月「どうしたのー?」
萩「いや、外の廊下から足音が聞こえるような気がするんだけど……この歩き方、ひょっとして百合果ちゃん?」
月「こんな夜中に? でも萩がそう言うってことは、一応、玄関まで行って見てこようかな。」(ガチャリ)
百合果「こっ、こんばんは。」
月「あら、本当に百合果ちゃんだった。」
百合果「えっ?」
月「こっちの話よ。それより、何かあったの?」
百合果「ちょっと……、あの……。」
月「……もしかして、一晩泊めてもらいたい?」
百合果「うん……。」
月「困ったわね。今から追い返すわけにもいかないわ。とりあえず入って。」
百合果「ありがとう。」
………………
…………
……
月「はい、お茶。もう眠れなくなるから麦茶しか出せないわ。」
百合果「お、お構いなく。」
月「お家に電話はするからね。」
百合果「はい……。」
月「ま、何があったのかは(チラッ)……聞かないけど、明日の朝は早起きして家に帰ること。わかった?」
百合果「うん……。」
萩「でも、よくうちなんかに来たね。他にも行くところはあったでしょ。」
百合果「雫ちゃんのところは灯りがついてなかったし、かえでちゃんも今夜はデートだって言ってたから……。」
萩「そういえば、今夜は日本戦だったね。彼氏さんと一晩"す"っぽり過ごすんでしょ。」
月「萩は色々ともう休みなさい。」
萩「うっ、お姉ちゃん怖い。」
………………
…………
……
月「さて、テレビも終わったし、そろそろ私達も寝ましょうか。パジャマは私のを貸してあげる。」
百合果「サイズが合わない……」
月「もう、文句言わないの。電気消すね。」
百合果「月ちゃん……。」
月「なあに?」
百合果「月ちゃんなら私の気持ち、分かってくれるよね。」
月「分からないわ。百合果ちゃんが話してくれるまで何もわからない。」
百合果「そ、そうだね。」
月「けど……百合果ちゃんに一つだけ何か言うならね。」
百合果「うん。」
月「リリーなら、辛いことがあってもへこたれることは『許されない』。」
百合果「月ちゃんもそう言うんだ。」
月「それはしょうがない。強い身体に生まれついちゃったんだから。」
百合果「……」
月「でも、私がいてあげる。不安定な時なんて誰にでもあるわ。事前に連絡をくれれば、うちにはいつでも来ていいから。」
百合果「うぅ……。」
月「明日はちゃんと起きてね。おやすみなさい。」