秘封ナイトメアダイアリー
2018年ゲームレビュー 7
880分=約14.6時間。全異名(実績)を獲得するまで。
弾幕の写真を撮ってSNS映えを狙う、文花帖的な東方Project第16.5弾。ドレミーさんがまた出てきてくれて嬉しい。菫子は可哀想に……。
以下ネタバレ。
1.総評
菫子が悪夢の中で幻想郷の面々(主にラスボスかEXボス)の攻撃を撃退しながらSNSで有名になっていく物語。最終局面では、実はプレイヤーが操っていた菫子は夢世界の菫子であることが分かる。夢菫子は、夢の中では悪夢を見て幻想郷の面々と戦い、昼は現の身体を乗っ取ってSNSに投稿していた。それを看過できない現の菫子はプレイヤーの手を借りて夢世界の菫子を撃破する。ドレミーの言う「可哀想に……」は、仮に夢菫子が全ての弾幕をクリアしても、いずれ現の自分に退治される運命であることが分かっていたから出る言葉だろうか。
正直な話、ゲーム全体を通してプレイヤーの分身であった夢菫子を最後にプレイヤー自身で撃破させる展開には違和感がある。今までの実績を否定されるようであり、かつその意味も自分の中で消化できていない。これが満足いくゲーム体験だったかと言うと……微妙。
今回の特徴の一つは、敵がいろいろな二人組で襲ってくること。みこひじやレミフラのような定番カップリングから、永琳&針妙丸や萃香&純狐のようなマイナーカップリング(公式)まで幅広く取り揃えられている。どうやら「最強の二人」の模索はまだ続いているらしい。紫&隠岐奈のカップリングがありつつ、最終局面で菫子を介した紫vs隠岐奈が実現されるのも興味深い。
ゲーム的な難点として、今回せっかくの文花帖的な作品だったのに従来の弾幕のマイナーチェンジ版のようなものしか放って来なかったのは少し残念だった。タッグスペルになっても各々が自分の持ち玉しか使わないので単純に自分の好きなことだけやっているように見える。相性の悪さについては菫子のコメントでも指摘されていて、幽々子&神奈子とか、こいつらなんで組んだんだろう。
2.SNS映え
今回のテーマの一つがSNS映え。ステージクリアには写真撮影が必要という文花帖システムをうまく説明している。最も評価の高い写真だけがステージ選択画面で表示される従来の仕様も、たくさん写真を撮って一番よく撮れているものをSNSにアップするという自然な行動に見える。その他にも、写真の評価(ボーナス点の条件?)が菫子が付けたであろうハッシュタグで表現されているのも面白いし、クリア後に菫子が写真についてコメントする際も、特に前半はSNSに掲載することを意識した文章になっている。さすがに悪夢が加速する後半では余裕がなくなっていくけど……。
そして全ての弾幕を乗り越えた結果、最後に残った異名の取得条件が「評価点30万点以上の獲得」。幻想郷での悪夢が終わってもSNS映え(する写真を撮り続けるという悪夢)からは逃れられない!
気になるのは、この物語で幻想郷の情報が外の世界に漏れ出したこと。いや、漏れたと言うより広く拡散されたという方が正しいか。多いときは6万人を超す人々が菫子の写真を見て、さらに2万を超す「イイッすね!」が付いている。もちろん累計ではもっと多い。そもそも幻想郷の存在が秘密とされている設定は無かったかもしれないが、それにしても広まり過ぎではないか。
幻想郷の情報を外に出した事例と言えば、音楽CDのブックレットで秘封倶楽部が出した同人誌「燕石博物誌」が挙げられる。また、今回のストーリー音楽の一つに「燕石博物誌が連れてきた闇」が採用されていること、菫子が秘封倶楽部『初代』会長を自称していることを考えると、菫子も蓮メリもやってることは似通っているよねというか、実は蓮メリは菫子の後追い・フォロワーではないかという可能性が生まれる。全ての弾幕をクリアしたときのメッセージに「菫子のアカウントは一部のオカルトマニアの間で崇拝されるまでに至った」旨があることを参照すると、本編の近未来とされる蓮メリ世界において、かつてのSNSアカウント「Violet Detector」がオカルト界で伝説的な存在になっていても不思議ではない。
いや待てよ、「Violet Detector」の写真を見た菫子フォロワーは蓮メリより先に沢山出現するはずではないか。そのフォロワーたちがいたのなら、未来に蓮メリが活躍する余地はどこから生まれたのか。逆に、なぜ蓮メリは伝説的な「Violet Detector」に言及しないのか。隠蔽された可能性はないか。菫子フォロワーたちが消えた先。結界暴きが禁止された理由。その答えは、「Violet Detector」が見せた世界に憧れた人々による大規模な事故か事件……というのは邪推だろうか。
3.攻略
評価点30万点は、悪夢月曜 弾幕夢3 幽々子&神奈子の風妖符「死蝶オンバシラ」で獲得した。敵キャラの近くで弾が密集して重なっているので高くなるのだろう。
攻略動画を見ながらなんとかクリアしたが、それでも詰まったのは「実質金閣寺」と名高い緋夜符「蓬莱の弾の要石」。あとは雷鼓&マミゾウや、藍&さとりなんかも難しかった。でも、やっぱり難しい弾幕を攻略していくのは楽しい。
基本的に後ろから弾が迫ってくるシーンは全部難しい。戻ってくる弾幕が難しい本質的な理由は、自機と弾源との距離が短いからだ。戻り弾幕は画面下のラインから出てくるが、自機も画面の下部にいるので、戻り弾幕を見てから避けるまでの時間的な猶予は上から降ってくる場合に比べて短い。また弾源に近いと弾の密度も濃いので余計に難しくなる。なお、弾源に近いから難しいという感覚は、反射弾や霊夢のような画面全体を動く弾源の難しさとも共通している。
対処法としては、なるべく弾源、つまり画面下から離れること。また、戻り弾幕は常に他の弾幕とセットなので、複数の弾列を同時に抜けないこと。幸い、今回の菫子にはテレポーテーションという反則技があるので、例えば背後から壁になって迫ってくるフランの弾なんかは後ろ向きに飛び越えてしまえば避けずに済む。
by konnkounohoukou
| 2018-09-10 22:53
| ゲーム
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